【連載】橘めいの『いつだってファイティングポーズ』 第6回 赤いルージュは誰のもの?
先日、友達の24歳(!)の誕生日を盛大にお祝いしました。
キッチン付きのイベントスペースを借りて、ホームパーティ風に!
知ってます。主役の女の子、10個も年下です。笑
彼女と知り合ったのはちょうど1年前なのですが、 映画が好きというところやEDMが好き(CLUBで踊るのも好き!) という共通点があって、たびたび一緒に酒を飲んだり、 映画を観て感想を話し合う仲になりました。
この歳になって思うけれど、女同士が仲良くなるのに、歳ってあんまり関係ないね!
20代前半の頃って、同じ世代の女じゃないとわかり合えない気がしていた。というのは、年下に対しても年上に対しても「今のあたしのこのムード、わからないでしょ?」という態度だったから。
だから先日24歳になった彼女がすごいと思うのは、
10歳も年上のあたしに対して、ものすごくフラットで素直な態度でいること。
あたしが24歳だった時よりも、ずっと大人なんだなあと感心する。
あたしがその歳の頃は、10歳も年上の友達なんていなかったもんな。
誕生日パーティに来てくれた彼女の同世代の女の子たちも、 あたしに対してすごくオープンでフラットな姿勢だったので、 最近の若い子(ババア発言)ってみんなババアを怖がらなくてすごいなぁ… と思ってしまった。
あたしはこの歳になってやっと、誰に対してもフラットでいられるようになったけど、 それは、人から「こう見られたい」という自分が、本来の自分と近づいているからのような気がする。
というよりも、「こう見られたい」という自意識がなくなって、 元々のあたしをそのままさらけ出すことが上手にできるようになってきた、 ということかもしれない。
若い時はそうはいかなかった。
「もっと賢そうに」「もっと綺麗に」「もっと大人っぽく」「もっとおもしろく」…
挙げればきりがないくらい、自分を本当の自分以上に良く、大きく見せようとしていた。
女に対してもそうだし、男に対してもそうだったと思う。
そうではなくなったのは、加齢も大きいが、髪をとんでもなく短くしたことも大きい。 (プロフィール写真のようなショートになったのはここ1年くらいの話である。)
おもしろいことに(それまでは3年くらいボブくらいだったのだが)、ショートにした途端、 街中で声をかけられることがほとんどなくなった。 (ナンパだったり、キャッチだったり。)
そもそも歳も歳なので、「髪型関係なくね?笑」と言われてしまいそうだが、 いやこれホントに、髪型関係あるんだって!!
男の人はわかりやすい記号に安心するんだと思う。
それは女に対してもそうで、「女らしさ」という記号に安心して、手を出せるんだと思う。
だから、自分の想像を超えたところにあるもの(例えばショートヘア、しかも刈り上げの女)は、手を出すのに躊躇するんだと思う。
(もちろん個人差があるということは大前提だけど)
『モテ』を意識していた頃は、男の人の想像の範囲内でいることを心がけていたけど、
(ファッションだったり髪形だったりを)
それで近づいてくる男なんて本当に本当に(2回言う)ろくでもないから、
みなさんも気をつけてくださいね。笑
もちろんロングやボブを否定しているわけではありません! 自分のfeelingに合っていればそれが一番だよね!ってそういう話。
あたしは、ショートヘアーにした途端、性同一性障害の人が性別適合手術を受けた時のように(想像でしかないけど)、自分にピッタリ!という気分になった。
誰かの言う「こういうのが女でしょ」「女らしいってこういうのでしょ」 っていう枠の中に入るのはまっぴらごめんだった。
当たり前だけど、あたしはあたしのままで十分に女である。
かわいいものが好きだったり、セクシーな服を着たかったりするのは、 「女らしく」見せたいからじゃない。
そうしたいからだ。それが好きだからだ。
「女らしく見えすぎるから」とか、「女らしく見えないから」とかいう理由で 自分のしたいことをできないんだとしたら、それは悲劇である。
それであたしはそういうことに対するattitudeとして先日の友達のバースデーパーティで、 『Red Lips Sensation』というパフォーマンスをおこなった。
参加者の女の子全員で真っ赤な口紅を塗る、というただそれだけなんだけど
20人以上で赤い口紅を塗るなんてめったにないことだから、とっても楽しかった。
(男の子は30人くらい。参加者は全部で60人くらいでした!)
「こんなに赤い口紅塗るの初めて!」という女の子もたくさんいて、 楽しんでくれたことがとてもうれしかった。
どんな自分にだってなっていい。v
誰かのジャッジなんか気にせずに、自分のなりたい自分になればいいんだよ、 っていうあたしのメッセージ、若い女の子たちに伝わったかなあ。笑
あたし達の快楽を、あたし達の手に取り戻す。
LMPは女の子がドキドキしたりワクワクしたりするようなイベントを たくさん仕掛けていきたいと思っています。
◆ライタープロフィール
橘めい
『Ladies Motivation Project』代表
(通称LMP=すべての女たちがそれぞれ自分自身の美しさを肯定し、ありのままの自分を謳歌し、生き生きと力強く楽しんで生きることを応援するプロジェクト。)
モチベーター/ライター/イベントプランナー
男と女、恋やセックス、女の自意識と加齢などについて日々考え続けている33歳。酒と映画と男をこよなく愛しています。パワースポットは歌舞伎町(二丁目含む)。一応、一児(6歳男子)の母。
BLOG /『ハレンチには程遠い』
X / @TachibanaMay
提供:GIRL’S CH