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COLUMN

【連載】橘めいの『いつだってファイティングポーズ』 第4回「女」を持ち出す場所

※こちらのコラムは「GIRL’S CH」様からの記事をピックアップして掲載しております。一部内容に時差が生じることをあらかじめご了承ください。

ひょんなことから昨年の夏ぐらいにBIGBANGにハマった。
(今さら!?って何人に突っ込まれたことか・・・)

正確に言うと、G-DRAGONのソロのMVを見て、「え?この人誰!?え?BIGBANGの人なの?かっこよすぎるんですけど!!きゃあああ!!!!」となった。笑

そうです。
BIGBANG、知らなかったんです。
知らなかったというか、知ろうとしなかった。
たぶん彼らが日本デビューしてテレビに出まくっていたのがあたしが25、6の頃。なんとなくハマりそうでヤバイ予感がして、心のスイッチをオフにしていた。
(あたしの直感は間違っていなかったわけだ。)

そして時は流れて押しも押されぬ三十路となったあたしは、誰に遠慮することもなく、なんの照れもなく、声を大にして言うのです。 「BIGBANGかっこいいー!!ジヨン(G-DRAGON)かっこいいー!!はーん!!」

周りを見渡してみると、同世代の女たちが何かしらにハマっている。(「ハマっている」というのは、対象となる人や物の情報を常にアップデートして仕入れている状態。生活の中の非常に優先な事項として時間やお金をかけている状態。)

周りの友達がハマっているものはざっと思いつくだけでも、ジャニーズ、K-POPなどのアイドルから男性アーティスト、歌舞伎・大衆演劇などの古典芸能系、プロレス、漫画・アニメなど、その対象は多岐に渡る。

また、周りにはいないのだが「スイーツにハマる」などの美味しいもの食べる系のハマりだったり、エステや美容・健康にハマるということもあると思う。(ジムなどで体を鍛えるのもひとつのハマりかも。)

他には、料理や楽器、語学、ダンスなど、習いもの系のハマりというのもありそう。

10代後半や20代前半の若い時から継続してひとつの対象にハマっている人もいれば、対象物をその時その時で変えながら今に至るという人もいるし、あたしのように30過ぎてからズドンと沼に落ちてしまう人もいる。

上に挙げたアイドルや役者・歌手などの異性にハマる「ハマり」と、スイーツや美容などにハマる「ハマり」では性質が違うのではないかと思う人もいるかもしれない。

しかし、あたしは最近、どちらも本質は同じなのではないかと感じている。

女として生まれた以上、自分が女だということを意識しないで生活することは非常に難しい。

なぜならあたし達は、物心ついた時から女として振る舞うことを教え込まれているし、そうした方が時に物事がうまくいくことも知っているからだ

学生の時までは男と女は一緒の箱の中で育てられ、お互いを差別化するものは成績か育ち(お金)くらいしかなかったのに、社会に出た途端、二つの性が立っている場所はまったく違う場所なのだと思い知らされる。

そして大人になった女は、ことさらに「女」を利用するか、「女」を消すかのどちらかしか選択肢がないかのように迫られる。

波風立たぬように、傷つくことのないように(実際にたいていの女性は男性よりも力が弱いわけだから)、自分を守る術を身に付けるのは自然のことである。

ちょうど去年の今頃に真木よう子主演で『問題のあるレストラン』というドラマがあった。
脚本家は坂元裕二(ただ今、月9『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』が話題の)という男性の方なのだが、どうしてこんなに女性のことを書けるんだと驚くぐらいに今の日本を生きる女性の心情を描き出して秀逸なドラマだった。

「きらきら巻き髪量産型女子」の高畑充希が、おじさん達の中で自分を殺して、セクハラされてもきゃぴきゃぴして、だってしょうがないじゃん、こうしなきゃ仕事できないじゃんってしてるのを見て真木よう子が「あなたの体はあなたのものなんだよ!」って言うんだよね。

毎週泣いてた気がする。素晴らしいドラマだった。

男の人と仕事をしたり恋愛をしたりする中で、傷付いていたり、ストレスに感じてたりすることは、気付いていないだけで、女ならたぶんきっとたくさんあると思う。

そういう女の人たちが、自分が女だとか何者だとかを意識せずに、ただ自分の内側から湧き上がる、「かっこいい!」とか「おいしい!」とか「テンション上がる!」とかのまっすぐな感情を思いきり解放できる場所。感情のままに楽しんだり、悲しんだり、共感したりできる場所。

ことさらに「女っぽく」ということではなく、かと言ってことさらに「女っぽくなく」ということでもなく。

ただありのままに、自分でいられる場所。

それが「ハマる」ということなのではないかと、あたしは最近そう思うのです。

だから別に「女」を持ち出してるわけじゃないんだよね。ただ自分自身でいたいという気持ちの結果なわけです。

せっかく女に生まれた(というか生まれたら女だった)んだから、どうせなら苦しまずに楽しみたいじゃん。(もちろんトランスジェンダーの方然り、無性愛者の方然り。)

LMPは、女の人たちが何も取り繕わずに女でいられる場所をこれからたくさん作っていきたいと思っています。

やっぱり女って楽しいなあって、思いたいじゃん。思ってほしいじゃん。

◆ライタープロフィール

橘めい
『Ladies Motivation Project』代表

(通称LMP=すべての女たちがそれぞれ自分自身の美しさを肯定し、ありのままの自分を謳歌し、生き生きと力強く楽しんで生きることを応援するプロジェクト。)

モチベーター/ライター/イベントプランナー

男と女、恋やセックス、女の自意識と加齢などについて日々考え続けている33歳。酒と映画と男をこよなく愛しています。パワースポットは歌舞伎町(二丁目含む)。一応、一児(6歳男子)の母。

BLOG /『ハレンチには程遠い』
X / @TachibanaMay