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COLUMN

【連載】橘めいの『いつだってファイティングポーズ』 第10回 逃げ場としての二丁目

ここのところよく二丁目で飲んでいます。(ご存知、新宿二丁目ね!)

もともと新宿が好きで、ゴールデン街だの三丁目だので飲んでたのですが、
最近はここに歌舞伎町と二丁目が加わったという感じ。

実を言うとあたしは、はるか昔歌舞伎町で働いていたこともありました。
(こちらはその時のことを書いたブログです。
『これは、あたしから君へのラブレター。』

あの時は若くて、ただ若くて、そこがどんなところかもわかっていなかった。
あたしはいつも部外者のような気がしていたし、
歌舞伎町という街を好きだなんて、とても思えなかった。

街に、飲み込まれそうで怖かった。

あの街は、今もそうだけど、生きているみたいに呼吸していて、
そこに生きる人間を包み込んだり、突き放したりする。

あたしは今、街の外の人間だから、優しくも厳しくもされない。
歌舞伎町は、他の観光客にするようにあたしにもビジネスライクにほほ笑んでくれる。
うれしいような、少し寂しいような。

それと、あたしも歳を取って丸くなったので、
余計な自意識がなくなって、街に対してオープンな姿勢でいられるようになった。

肩肘張らずに街を歩けるようになった。
人との付き合い方と一緒で、距離の取り方を覚えたのかもしれない。

今ではあたしは、歌舞伎町が大好きで、あの街にいる自分が好きで、
一番のびのびしていられるというくらいになってしまった。

何言っちゃってんの?って感じかもしれないけど、
街を闊歩してると力がみなぎってくるような気がするの!笑

あたしがあの街を好きな理由のひとつに、『多様性』ということがある。

歌舞伎町には本当に色んな人がいる。
(まあちょっと、偏ってなくはないけど・・・笑)

あたしも、場所によっては相当浮くタイプの女なんだけど、
あの街だと、なんか、自然に溶け込める。
(と、自分では思っている・・・)

夜の人も、昼の人も、トランスジェンダーの人も、
昼間から何してんだかよくわかんない人も、
一目で堅気じゃないとわかる人も、外国人も、地方から来た人も、
学生も、年寄りもいて、見ているだけでもおもしろい。

多様な人間の混然となったエネルギーが渦巻いているようで、
あたしはそのエネルギーを吸収して元気になる。

『多様性』っていうのはLMP(Ladies Motivation Project)のテーマでもある。
自分と価値観の違う人、考えの違う人、見た目の違う人がいて当たり前だし、
だからこそおもしろいんだし、だからこそあなたという人間に価値があるわけだし、
理解できないとしても、理解しようとすることに意味があるでしょ?
とあたしは常々思っているのだ。

「こうじゃなきゃいけない」、「これ以外は認めない」という姿勢でいると、
結局最後は自分が苦しくなると思うんだよね。
だって絶対なんてないし、いつどこでどうオセロのコマがひっくり返るかわからないじゃん?

だから、「多様性を認める」ってことを(それは自分自身を認めることでもある!)
LMPの活動の中でも伝えていけたらいいかなと思ってます。

そんなわけで、歌舞伎町や二丁目というところは多様性を象徴するような場所だから、
あたしにとってはズバリ、パワースポット。

そしてあたしが二丁目によく行くようになって感じたことは、
ここの人たちはあたし達女を、女としてジャッジしないなってことだった。
(人間としてジャッジすることはあっても。)

それは何もしなくてもジャッジされることが当たり前の女にとって、
信じられないくらい居心地のいいことである。

女同士で行ってもどちらがかわいいとか若いとか、
そういう風に比べられることがまったくない。
(ていうかそもそも女に興味ない!笑)

自分が女だということを意識せずにすむ、解放感と安心感。

女同士ですら(というか女同士だからこそ?)、
ジャッジされることの多い日常を送る中で、
ここ二丁目にはその物語が存在していないんだよ。

そんなことはひとたび男の前に出たらあり得ない。

ここは、普段無意識に作り上げている
『女としての自分』を持ってこなくてもいい場所。

それがものすごくリラックスできて楽だってことに気が付いた。

今までこのコラムで書いてきた、「女を持ち出す」ということは、
すなわち「女を謳歌する」ことであって
「女をやる」(女を強制される)こととはまったく違うわけですよ。

だから「(意識的に)女を持ち出さなくていい」というのは
「女を持ち出す」ことと相反しているようで、実は地続きなのです。

だってどちらもありのままの、誰かに強制されるわけではない、生まれたまんまの、
自分のまんまの女でいられるということだから。

日々の生活の中で、自分らしくいられなくてなんだか違和感を感じたりとか、
息苦しくなったりした時に、逃げ場になる場所って絶対必要だと思う。

たとえばそんな時に、二丁目っていう場所もあるよ、ってことをあたしは
みなさんにオススメしたいのです。

まぁ、要するに酒飲んで工藤静香を気持ちよく歌える場所ってことなんだけどね!笑

昭和か!!

みなさんもぜひ遊びに行ってみてください!楽しいよ~!

◆ライタープロフィール

橘めい
『Ladies Motivation Project』代表

(通称LMP=すべての女たちがそれぞれ自分自身の美しさを肯定し、ありのままの自分を謳歌し、生き生きと力強く楽しんで生きることを応援するプロジェクト。)

モチベーター/ライター/イベントプランナー

男と女、恋やセックス、女の自意識と加齢などについて日々考え続けている33歳。酒と映画と男をこよなく愛しています。パワースポットは歌舞伎町(二丁目含む)。一応、一児(6歳男子)の母。

BLOG /『ハレンチには程遠い』
X / @TachibanaMay