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9/7(水) 同時公開 シビルウォー/キャプテン・アメリカ デッドプール 徹底比較!
【※一部ネタバレあり】

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2016年4月29日、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が劇場公開された。マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU、※)を牽引してきた二大ヒーロー、キャプテン・アメリカとアイアンマンによる数多くのヒーローを巻き込んだ戦いは大きな話題を呼びつつ観客を魅了した。ヒーロー同士の正義と、友人同士のやりきれなさがぶつかり合う展開は、多くの人の心を揺さぶった。
さらに、同じマーベル作品のスパイダーマンアントマンといったヒーローも登場し、作品にさらなる彩りを添えたのは記憶に新しい。

※様々な「マーベル・スタジオ」の実写映画を、同一の世界観のクロスオーバー作品として扱うシリーズのこと。シビル・ウォー/キャプテン・アメリカは13作目※

そして『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の公開から約1ヶ月後、2016年6月1日。規格外の三文字が似合いすぎるヒーロー映画が公開された。その名は『デッドプール』。“お話”のキャラクターであることを自覚し、「俺ちゃんスーパーヒーローじゃねえし」とうそぶくマーベル・コミックの異端児が主役の映画だ。映画『X-MEN』シリーズのスピンオフとして作られたこの映画が、まさかシビル・ウォー/キャプテン・アメリカと同じく映画史に残るほどのヒットを記録することになるとは、誰も予想していなかっただろう。

かたや青いコスチューム、シンボルであるシールド、そして類まれなる責任感を持つ超人兵士キャプテン・アメリカ。
かたや真っ赤なコスチュームに山盛りの武器、類まれなる無責任さを持つ不死身の傭兵デッドプール。
2016年、スクリーンで対峙したのは、マーベル・スタジオの予想以上の映画と予想外の映画だった。

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

過去と未来を担う『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、MCUにおける様々な過去作を経ての物語となっている。なぜヒーローたちは争うのか、なぜキャプテン・アメリカとアイアンマンは対決するに至ったのか。

この禁断の対決を理解するためのキーワードやキーポイントは、実は様々な過去作に幾つも隠れている。今回は特別に3つのキーポイントを紹介する。

key point

1ハワード・スタークで繋がる縁

キャプテン・アメリカにトレードマークとなる盾を授けた人物であり、アイアンマン(トニー・スターク)の父親であるハワード・スターク。ハワードがキャプテン・アメリカに協力する姿は『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』にて描かれており、父ハワードと子であるトニー、父子の絆は『アイアンマン2』で描かれている。

今は亡きハワード・スタークの仲間であったキャプテン・アメリカと、ハワードの子であるアイアンマン。このハワード・スタークで繋がる縁は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を理解する上で外せないポイントである。

2ウィンター・ソルジャー(バッキー)

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の中心人物であり、洗脳された暗殺者であるウィンター・ソルジャーの正体は、第二次大戦中に生き別れたキャプテン・アメリカの親友バッキーである。キャプテン・アメリカとバッキーの友情は『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』で描かれている。

3東欧の国ソコヴィア

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』にてアベンジャーズが発端となったウルトロンとの戦いにより多数の人が死傷することとなった国。

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、シリーズの過去と未来を担う作品となっている。これら過去作における様々な出来事や因縁が、ヒーロー同士の対決という禁断の果実の養分となるのだ。
なお、これら過去作の出来事に関して最低限必要な情報は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』作中にて提示されるので、過去作を観たことない人も心配は無用だ。

見どころは多数のヒーロー

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』には、多数のヒーローが出てくる。
まずは、ヒーロー同士の対決、その中心となるキャプテン・アメリカにアイアンマン。キャプテン・アメリカに寄り添うファルコンに、争いの原因となるウィンター・ソルジャー。アイアンマンの親友であるウォーマシンに元はアイアンマンを支えてきた人工知能であったヴィジョン。今作で始めてMCUに登場する、ブラックパンサーとスパイダーマン。他にも大勢のヒーローが登場し、禁断の戦いに手を染める。

彼らは全員、ただ出ているだけでなく、しっかりとした理由がある上でキャプテン・アメリカ側につくのか、アイアンマン側につくのかを選択している。ヒーロー同士の戦いは何度かの小競り合いの後、やがて空港を舞台とした総力戦に移るのだが、この空港での戦いはヒーローアクションものの歴史に残るクオリティだ。それぞれの能力を最大限に発揮したギミックの連鎖からは、目が離せない。

オススメは『アントマン』!

観ることで、各ヒーローの性格や能力を把握できる『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』。この作品をまず観て、気になったヒーローの過去作を追うのもMCUの楽しみ方としてはアリだろう。筆者のオススメは、熾烈な戦いの清涼剤となる愛嬌を持ち、縮小能力とまさかの大技で観客の度肝を抜いてくれるアントマンだ。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』での彼を観ると、既に観た人もそうでない人も、彼が主役を務める映画、『アントマン』を観たくなること間違いなし。

『デッドプール』

デッドプール

“反則技”で過去とつながる『デッドプール』

一方、『X-MEN』シリーズのスピンオフである『デッドプール』は、元ネタである『X-MEN』シリーズにおける様々な過去作とはあまり関係のない物語となっている。

『X-MEN』シリーズはMCUより長い歴史を持ち、関連作も多数あるものの、スピンオフであるデッドプールはシリーズと特に関係ないところからポン!と登場した。そもそもミュータントチームである『X-MEN』にデッドプールは所属しておらず、制作予算がないので(デッドプール談)映画に出てくる『X-MEN』も2人だけだ。

過去作に出てきたのは、『X-MEN』の一人であるコロッサスと、『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』にてラスボスのウェポンⅪとして登場したデッドプールの2人。

しかしデッドプールは、反則技を駆使して、むしろデッドプールにしかできないやり方で、過去作と繋がって見せた。元より『X-MEN』シリーズは『X-MEN: フューチャー&パスト』にてシリーズ史が二つに分岐し、素直に繋げることがまず至難。デッドプールが取った手段は、自身を映画やコミックのキャラクターだと自覚し、観客とともに過去作をいじり倒すというという裏ワザだった。

プロフェッサーXの所に連れて行くと言われれば「スチュワート? マカヴォイ?」と歴代映画でプロフェッサーXを演じた役者の名前を口にし、本来のデッドプールとのあまりの違いから一部に黒歴史扱いされてしまっているウェポンⅪすらいじる。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のように本筋で関われないのならば、小ネタでガンガン使ってみせる。『デッドプール』はデッドプールにしかできないやり方で、『X-MEN』シリーズに食い込んで見せたのだ。

マイナーだが個々が魅力的な『デッドプール』

一方で『デッドプール』には、多数のヒーローが出てこない。前述のとおり、『X-MEN』シリーズからのゲストキャラはコロッサスぐらいのもので、他は新キャラ。しかもその大半が、コミックスでは長年非主流であったデッドプール関係のキャラや、今後使う予定が無いであろう『X-MEN』関係のキャラを引っ張ってきた非常にマイナーなメンツだ。正直なところ、その名前に華やかさはない。それでも『デッドプール』を観た人間が、メンバーの貧しさを感じることはないだろう。何故なら彼らは、誰もが活き活きとしているからだ。

観客からの高いハードルに応えてみせた、主人公デッドプール。溌剌さと健気な様が同居したヒロイン、ヴァネッサ。無表情なサディストである悪役エイジャックス。友情厚きクソ野郎な親友ウィーゼル。どんなキャラにも、普通のヒーロー映画ではあまり見ない個性があり、その魅力は沢山の観客を惹きつけた。

一例として、名前はコミックスにあるもののほぼ映画オリジナルキャラとして登場した女ミュータント、ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド。彼女は映画の設定やビジュアルに則った上で、コミックスへ逆輸入されることが決定した。『デッドプール』は、自分からジャンルやメディアを牽引するだけの魅力を得ることに成功したのだ。

『デッドプール』には小ネタがたくさん!

なお、あくまでパロディの範疇だが、『デッドプール』にはスパイダーマンやキャプテン・アメリカとの関連を匂わせる小ネタが沢山含まれている。いわば、勝手コラボ。中にはネタとは言い切れないぐらいに、大掛かりなものも。ただこのネタを信じてしまった場合、『デッドプール』と『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』はとんでもない間柄になってしまう。その“とんでもなさ”のヒントは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』に隠されている。

真逆の2作品、に見えるけど実は……?

こうして比較すると、キャプテン・アメリカとデッドプールは真逆のヒーローであり、それぞれの出演作も真逆に見える。でも実はこの2人、コミックスの設定では“ウェポン・プラス計画”と呼ばれるプロジェクトにより、近い関係にあるのだ。超人兵士を作る計画の総称であるウェポン・プラス計画。この計画に携わったキャラクターとしては、『X-MEN』に所属する鉄の爪を持つ男、ウルヴァリンが有名だ。ウルヴァリンから得た研究成果から派生したプロジェクトにより、デッドプールは生まれた。そしてこのウェポン・プラス計画の始祖となった超人兵士こそ、キャプテン・アメリカだったのだ。

生真面目なキャプテン・アメリカ、不真面目なデッドプール

いくら同じ計画で生まれたとはいえ、生真面目なキャプテン・アメリカと不真面目なデッドプール。個人としては相容れない存在だったが、このウェポン・プラス計画を巡る戦いでの共闘により、2016年現在のコミックスでは非常に親しい間柄になっている。事情を知らない他のヒーローに驚きや困惑を振りまきつつ、2人は『アンキャニーアベンジャーズ』という派生チームを結成し、共に肩を並べ悪と戦っているのだ。

編集後記

今は違う世界である、MCUと映画『X-MEN』シリーズ。2人のヒーローが共演することは難しいだろうが、スパイダーマンの例もある。もしかしたら将来的に、キャプテン・アメリカとデッドプールが並び立つ姿が映画館で観られる日が来るかもしれない(執筆:藤井三打)。

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