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COLUMN

【連載】橘めいの『いつだってファイティングポーズ』
第14回 盛り場のフェミニズム

「ホストクラブにハマっている」と言うと、悪い印象を持たれがちなのはどうしてだろう。

かく言うあたし自身も、もし以前に友達にそう告げられたら、
「え?大丈夫?キャバクラで働けって言われてない?」と
思ってしまっていたかもしれない。
(そもそもそんな友達いないけど・・・)

だけど、あたし今、「ホストクラブにハマっています」!笑

そして、安心してください!
ホストにハマって身を持ち崩したりはしておりません!

きっかけはひょんなことだった。
そもそもそれまでホストクラブにはまったくなんの縁もなかった。
まあ人生で一度くらいは行ってみてもいいかなぁとは思っていたけれど、
周りに行っている友達もいないし、積極的に行くような機会には巡り合わなかった。

その頃(ちょうど1年くらい前のこと)、
「モテたい」と「ババアになっていく自分」の間でもがいたり、
「家庭におさまった(女の土俵を降りた)自分」と「それでもまだ女として認められたい自分」をどうやって折り合いをつけるべきなのか、三十路という年齢も手伝って、
「もうそんな自意識は捨てたよ~」と大人ぶってみたり、「ヤダヤダまだ色々試してみたい!」とあがいてみたり、ある程度女の自意識が忙しくしていた。

(余談だけど安室奈美恵の『sweet 19 blues』に「もうすぐ大人ぶらずに子どもの武器も使える いちばん旬なとき」って歌詞があるでしょ。やっぱ小室すごいよなぁ。ただあたしの19歳はまったくそんなんではなかったけど・・・!)

そんな時に、ホストクラブ(とホスト)があたしの人生にずかずかと土足で入ってきたのである。
いや、あたしがずかずか踏み込んだのかな?笑

そして、この「ホストクラブ」に足を踏み入れたことによって、
『Ladies Motivation Project』が発足したと言っても過言ではないのだ。

なぜかと言うと、それまで言語化できずにモヤモヤしていた自分の考える「女らしさ」や「ババアになること」、「女として認めてほしい」という自意識、恋愛における男女の考え方の違いや、セックスにおける男女のパワーの不均等などが、ホストクラブという場所を通してあけすけに、生々しく、そして力強く見えてきたからだ。

それまでもあたしは、モテや加齢、美意識や自尊心などについて考えていたのだけれど、
ホストクラブと出会って、自分が知りたいことや伝えたいことがよりクリアになった。

それは、ホストの皆さまはもちろんのこと、そこに集まる女の人たち(もちろん直接関わりはないのだけど)のおかげだと思う。

正直、彼女たちには共感できる部分と、共感できない部分がある。
女の持つ欲の深さ、業の深さを見せつけられて、同じ女だからこそしんどい気持ちになる時もある。
けれど、だからこそ、一皮剥いた時の女の弱さをいかにして克服し、強く堂々と、
自分に自信を持って生きていけるかということを考えさせられるのだ。
そしてそれこそがLMP(Ladies Motivation Project)なのだ。

ホストクラブはとても不思議な場所だ。
見えている部分と見えない部分がある。多面性と言ってもいい。

それは料金設定にも表れている。
初回の料金はえらい安いのに(2時間飲み放題3,000円とか)、
指名が付いた途端10倍くらいの値段になる。
(そして一般の社会では考えられない天井知らずの料金だって発生する。)

あたし自身もドキュメンタリーなどを見て持っていた怖いなあというような思いは、
毎日バンバンお金が飛んでいるような非日常の世界というイメージから来ているのだと思うが、もちろんそういった一面もあるし、実際はそうでもないよって部分もある。

それに比べて、キャバクラはそこまで見えている部分と見えていない部分の差がない(ように思う)。

それは男の欲望が、女よりもシンプルだからではないだろうか?

キャバクラが「お金を払う」ことによって、能動的に「楽しみを得る」、「自由に口説く」という一方通行のわかりやすい欲望をぶつけられる場所なのに対して、
ホストクラブは「お金を払う」という能動的な行為によって、男性の方から「口説かれたい」「求められたい」という受動的な欲望をぶつけることが可能になるという、
非常にねじれた現象が起きている場所なのだ。

こんなに、男と女の性差が(ある意味デフォルメされた性差だけれど)はっきり表れる場所も珍しいと思う。

だからこそあたしは、ホストクラブへの興味が尽きないし、そこから女の欲望を分析することでそれをまるっと飲み込んでポジティブに楽しめるようになりたいと思っているのだ。

そしてホストクラブが従来のようなネガティブなイメージを持たれる場所ではなく、
女たちが堂々と楽しめる場所になればいいなと心からそう願っている。
(そのためにはまだまだお互いの歩み寄りが必要だけれど。)

そんなわけで、あたしのフィールドワークは続きます!
とりあえずやったことないことはやってみよう!
行ったことのないところには行ってみよう!がモットーのあたしです。

大丈夫!身を持ち崩したりはしないから!
だってもうキャバクラじゃどっちにしろ働けないし!

◆ライタープロフィール

橘めい
『Ladies Motivation Project』代表

(通称LMP=すべての女たちがそれぞれ自分自身の美しさを肯定し、ありのままの自分を謳歌し、生き生きと力強く楽しんで生きることを応援するプロジェクト。)

モチベーター/ライター/イベントプランナー

男と女、恋やセックス、女の自意識と加齢などについて日々考え続けている33歳。酒と映画と男をこよなく愛しています。パワースポットは歌舞伎町(二丁目含む)。一応、一児(6歳男子)の母。

BLOG /『ハレンチには程遠い』
X / @TachibanaMay